首都圏ではすでに公開されている映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』。
わたしが住んでいるところでもそろそろ公開されるのですが、それに先立って大阪市立中央図書館で行われたトークイベントに参加してきました。
当日、約300人がひしめく会場で、この映画の原作である『未来をつくる図書館~ニューヨークからの報告』の著者・菅谷明子さんとのスカイプトークを拝聴しました。
映画を観る前に上記の本を読むと映画がより理解できるとのことでしたので、さっそく読んでみました。
ニューヨーク公共図書館とは総称であり、専門分野に特化した四つの研究図書館及び八五の地域分館から成っています。
日本のいわゆる"公立"図書館と違い、"公共"図書館は民間による寄付で運営しています。
そのため、利用者サービスがとても充実しています。
わたしが一番良いと思ったのは、個人で契約すると高価なデータベースが図書館カードを作りさえすれば無料で使えること。
ログインすれば自宅で使えるものもあるので一つのテーマについて網羅的に調べたいときに重宝すると思います。
著書曰く、
"よく利用したのが「レクシス・ネクシス」というデータベース。世界中の新聞、雑誌など、刊行された膨大な英文記事を、過去にさかのぼって網羅的に検索できる"優れもの"だ。"
図書館はWi-Fi環境を整え、パソコンも置いていて、その上、情報活用講座まで開講しており、市民が平等に情報を享受し利用できる場を提供しています。
当たり前に手に入る情報が手に入らない人もいる。
そしてどれだけ情報が溢れていても、活用の仕方を知らなければ何の役にも立たない。
もはや本を貸すだけが図書館の役割ではないのです。
また、コンサートや演劇、ダンスなどの公演、講演会、朗読会、パネル・ディスカッション、セミナーなどを開催している図書館もあります。
図書館に足を運べない利用者に希望の資料を電話やインターネットで受け付け、無料で配達するサービスを行っている図書館もあれば、資料目録やデータベース利用講座を5ヵ国語で行い、デジタル・ディバイドの解消に取り組む図書館もあります。
図書館は市民のための「知のインフラ」です。
日本の図書館も、知る権利と知へのアクセスを万人に保証する図書館であってほしいと強く思いました。
紹介本:『未来をつくる図書館 ニューヨークからの報告』菅谷明子